■研究代表者

図書館交流協定調印式
(ソウル大学校 秦館長と九州大学 有川館長)
今西裕一郎(人文科学研究院、附属図書館研究開発室 教授)

■研究分担者

竹田正幸(システム情報科学研究院、附属図書館研究開発室 助教授)
吉田昌彦(比較社会文化研究院 附属図書館研究開発室 教授)
秦教勲 (ソウル大学校中央図書館長 教授)
趙東一 (ソウル大学校 教授)

■研究要旨

報告書
 2000年度韓国国際交流財団助成事業共同研究プロジェクトによる九州大学附属図書館と韓国ソウル大学校中央図書館間の学術交流に関する基礎的研究を行うにあたって、次のような課題を設定した。
 1999年3月、九州大学附属図書館は韓国ソウル大学校中央図書館との間に図書館交流協定を締結した。この交流協定は日本でも韓国でも最初のものであり、幸いにも学内外で高い評価を受けた。今後はその具体的な研究調査作業に着手しなくてはならないが、本研究プロジェクトの目的は、ソウル大学校中央図書館現蔵(京城帝国大学旧蔵)和本および九州大学所蔵朝鮮本の、それぞれの貴重資料の画像及び書誌データベース作成に当たっての対象史料の選定、入力方式、表示方式、検索法等の研究開発に当たることである。
 具体的には、ソウル大学校中央図書館長から強く依頼されている同大学所蔵和本の貴重本選定作業が当面最優先されなくてはならない。それを実施しながら、両大学間の電子図書館機能の実現方式を研究するために、マルチメディアデータベース、分散データベースなどを構築して、両国間の図書館をベースにした学術交流の在り方を模索する。
 これに基づき、研究事業を推進した結果、次のような実績を積み重ねることができ、当初の目的は達成されたと考える。

ソウル大学校中央図書館
閲覧室
マイクロ資料室
国際機構資料室
学位論文等室
予約資料室
参考資料室
書誌・情報検索室
AV室
(目録出版)
 九州大学が所蔵している朝鮮本の書誌を調査し、これらの目録を作成する。九州大学には中央図書館をはじめ文学部、経済学部に朝鮮本が所蔵されており、これらの包括的な目録を作成することにより、韓国関連研究に大いに資するものである。

(学術刊行物の相互交換)
 学術刊行物を相互交換し、ソウル大学校及び九州大学において、韓日相互の学術をさらに進展させ実りあるものとして定着させるために、本学から「九州大学出版会」の出版物(約550点)を、ソウル大学校からは「ソウル大学校出版会」の出版物(約680点)をそれぞれ交換した。

 このソウル大学校からの出版物については、新着本は韓国研究センターに配架し、韓国からの留学生をはじめ、多くの韓国関係を研究する方々の閲覧に供し、一定期間経過後に、中央図書館に配架・管理し、一般の利用に供することを考えている。
 なお、この事業及び図書の配架等については、韓国研究センターにとっても重要な意味をもつものとして、平成13年2月開催の同研究センター委員会の了承を得ている。

(訪問・招請調査等)
平成12年 6月16日
ソウル大学校中央図書館を訪問し、所蔵される和本の調査を行うとともに利用者サービスの実態、電子図書館化の実状等について調査を実施した。
11月17日
韓国高麗大学、梨花女子大学を訪問し、韓国における大学図書館の電子図書館状況、利用サービスの現況等を調査した。
平成13年 2月16日
釜山大学、慶山大学、韓国中央図書館を訪問し、電子図書館化、データベース化の現状、利用サービスの実態等を調査した。
3月12日〜14日
延世大学校、西江大学校及び韓国国立中央図書館を訪問し、電子図書館化、利用者サービスのあり方等を調査した。
3月15〜19日
韓国から書誌学関連教授を招聘し、九州大学中央図書館所蔵朝鮮古典本の書誌学的調査を実施した。
3月20日
ソウル大学校中央図書館を訪問し、協議の結果、ソウル大学校出版会と九州大学出版会における既刊の学術図書約500冊の相互交換を決定し、来年度以降の新刊学術書についても交換を継続することついて合意を見た。また、協議の後、九州大学、ソウル大学校両図書館の関係者による、図書館データベース開発についての研究会が開催された。
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九州大学韓国研究センター
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