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【報告】第99回定例研究会

2021-12-09

韓国研究センターは、去る12月4日に第99回定例研究会を開催いたしました。

日時:2021年12月4日(土)

会場・開催方法:博多バスターミナル第2ホール/オンライン「ZOOM」

共催:九州韓国研究者フォーラム

後援:韓国国際交流財団

 

 

第1報告: 蔣允杰(韓国学中央研究院)

・近代福岡の朝鮮移住

本報告では、朝鮮植民地化の過程をヒトとモノの移動から把握することを目的として、釜山における福岡からの「移住者」と水産資源の移動について検討した。福岡県の移住政策と香椎源太郎や太田種次郎などのキーパーソンの動向に着目して、移住者数の変遷や補助金の推移、また具体的な移住先を整理し、福岡からの移住者の目的は生活のための移住でありながらも、日本政府や福岡県などの行政による政策が現地浸透を促進させたと指摘した。

 

 

第2報告: 鄭敬娥(大分大学)

・「東アジア休戦体制」と日韓歴史認識問題の交錯――サンフランシスコ平和条約と「1965 年体制」の関係を中心に

本報告は、戦後の日韓歴史問題対立の起源を「サンフランシスコ平和条約」と位置づけ、それが「日韓請求権協定」にどう影響したのかを明らかにした。また、今日の日韓歴史認識対立の核をなす、植民地占領の合法性/違法性、請求権問題の解決/継続という問題に関する新たな議論を分析し、その意味を考えることを目的とした。報告のなかで、日韓両国の国内情勢の変化が指摘されるとともに「1965年体制」の動揺/崩壊ともいえる状況が見受られるのではないかという問題提起がなされた。