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【報告】九州大学韓国研究センター講演会(小倉紀蔵先生講演会)

2024-12-02

九州大学韓国研究センターでは去る20241123日(土)に、小倉紀蔵先生(京都大学教授)をお迎えして、講演会「世界哲学としての韓国美」を実施しました。

本講演では、支配的ヘゲモニーの世界観の優越を糾弾する「世界哲学」という観点を披露しながら、「大文明の哲学」「人間中心の哲学」「理性中心の哲学」「男の哲学」などの解体、そして「西洋対非西洋」という図式の解体を狙う小倉先生問題意識が丁寧に紹介されました。そのような「世界哲学」の観点を踏まえて、東アジアの中の日本と韓国の思想・哲学を比較し、それぞれの特徴について深くて鋭い議論が展開されました。

特に実体系と非実体系に関わる3つの存在様態を示し、群島文明や半島文明においての特徴として、〈第三〉の存在様態(あいだ性)を保全し発展させる点を挙げることができる、ということが強調されました。また、日本の美意識と韓国の美意識についての言語的な表現、そしてそれに根ざしている根源的な意味の地平と美意識のありようなどに関してもきわめて興味深い話を伺うことができました。

本講演会は、週末の遅い時間帯に開かれた講演会にもかかわらず、多くの方々が来場し成功裡に終わりました。


小倉紀蔵先生講演会

 

講演

世界哲学としての韓国美」

 

講師:小倉紀蔵先生(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)

日時:2024年11月23日(土)19時~21時(開場:18時30分)

会場:JR博多シティ10階会議室

司会:野裕紀(九州大学韓国研究センター副センター長)

*本講演会は、韓国国際交流財団による助成をうけ現在進行中の研究事業「『世界史』の中の韓国:その構造変動に関する総合的研究」の一環として開催されました。