〔開催予告〕オンライン講演会(2022年2月7日)
今般、下記の通りオンラインでの講演会を実施いたします。(新型コロナ感染の状況如何では変更もありえます)
講演者:齋藤 康平 先生(内閣官房 領土・主権対策企画調整室企画官)
日 時:令和4(2022)年 2月 7日(月) 16~18時(予定)
講演題:「内閣官房における領土・主権対策への取り組み(仮題)」
※詳細は追って更新いたします
【報告】「2021日韓市民100人未来対話」
2021年11月12日(金)から11月14日(日)にかけて、「2021日韓市民100人未来対話」(主催:韓国国際交流財団、ソウル大学校日本研究所、早稲田大学韓国学研究所)がオンラインで開催され、本センターからは、深川博史センター長・教授(経済学)と辻野裕紀准教授(言語学)が参加しました。
本行事は、「日韓両国の学界専門家と様々な分野のNGO、一般市民が参加し、東北アジアの情勢変化に沿った共通の関心と懸案をテーマとして創意的な解決策を共に模索することで、お互いに対する理解の幅を広げる未来志向的な日韓関係発展のための堅固な基盤を作り上げる」ことを目的としたもので、今回で第5回目を迎えました。
今年のテーマは「日韓市民がともに作り上げる未来ビジョン」で、以下のような日程で行われました:
●11月12日(金)
開会式(開会の辞、主題発表、公演、自己紹介など)
●11月13日(土)
分科セッション1「市民が考える平和:日韓・東アジア・世界平和」
分科セッション2「共通の課題:少子高齢化、ジェンダー・世代・多文化社会」
分科セッション3「生活安全と環境:気候変動、感染病パンデミックと日韓境界の日常」
分科セッション4「社会文化協力:草の根交流、文化交流、自治体交流」
●11月14日(日)
総合討論
【募集】事務補佐員 2名 〔終了しました〕
※申込みを締め切りました。
この度、韓国研究センターでは、 センターで保有する書庫の整理を担って頂ける方を募集します。
≪職種≫
事務補佐員(3か月)
≪採用人数≫
2名
≪仕事の内容≫
1.韓国語・日本語の文献、書庫整理の補助
2.文献目録の作成
3.電話対応 など
≪雇用期間≫
令和4年1月1日~令4年年3月31日
≪学歴≫
短大卒業以上
≪必要な資格≫
・ワードエクセルの基本的な作業が可能であること
・韓国語の読み書き、簡単な会話が可能であれば尚可
≪時給≫
1,048円(試用期間なし)
≪交通費≫
あり(九大規定による)
≪勤務≫
10:00~17:00 (週4~5日)
※労働日数について相談可
※土日祝休み
≪応募書類≫
・ハローワーク紹介状
・履歴書(写真付、押印有)
・職務経歴書
≪応募書類送付先≫
〒819-0395
福岡市西区元岡744
「九州大学韓国研究センター担当者」宛
≪書類必着日≫
令和3年11月19日(金)
※その他に詳細についてはハローワーク求人情報(求人番号40190-7707911)をご参照ください。
【報告】講演「朝鮮近代文学と日本留学」(2021年11月1日)
昨年に引き続き朝鮮近代文学をご専門にされている波田野節子先生(新潟県立大学名誉教授/本学韓国研究センター学術共同研究員)にオンラインで朝鮮近代文学の父と称される李光洙の青年期における日本留学体験を中心とする内容にてご講演をお願いいたしました。
【報告】第98回定例研究会
韓国研究センターは、去る10月8日に第98回定例研究会を開催いたしました。
日時:2021年10月8日(土)
会場・開催方法:博多バスターミナル第3ホール/オンライン「ZOOM」
共催:九州韓国研究者フォーラム
後援:韓国国際交流財団
第1報告: ジョン・ハナ (福岡県地方自治研究所)
・「実効性ある感情労働者権利保護法制の構築を目指して:ソウル市の事例を中心に」
本報告では、第3の労働形態と呼ばれる「感情労働」に従事する労働者の権利保護に関するソウル市の条例、また「感情労働者保護法」と呼ばれる一連の法制度について検討した。感情労働者を保護する条例はまずソウル市にて制定され、その後全国の自治体でも制定されるようになった。しかし、実効性確保の問題や対象者が限定されているなどの課題が指摘されている。「感情労働者保護法」も同様の課題を抱えており、現在まで改正が続けられている。そして、このような韓国の実践は日本における法制化に一定の示唆を与えるものと指摘された。
第2報告: 金田達依 (西日本新聞社)
・「コロナ禍の韓国生活」
本報告では、コロナ禍の2020年4月〜2021年3月までの釜山駐在記者としての経験を韓国のコロナ対策や個人の経験を交えながら報告された。日本とは異なる政策、実情などが詳細に報告され、メディアの報道からだけでは知ることのできない韓国の実情が報告された。地域経済活性化の試みとして地域貨幣が導入されたものの、財源確保問題で一時利用停止となったことなども紹介された。また、コロナ禍でトロット(韓国演歌)が大ブームになり、コロナ禍での苦しみがこのようなブームを巻き起こしたのではないかとの指摘がされた。
【予告】講演「朝鮮近代文学と日本留学」
講演者:波田野節子 先生(新潟県立大学名誉教授)
日時:令和3(2021)年11月1日(月曜) 16:50~18:10
形式:オンライン
【報告】第97回定例研究会
韓国研究センターは、去る8月30日に第97回定例研究会を開催いたしました。
日時:2021年8月30日(月)
開催方法:オンライン ZOOM
共催:九州韓国研究者フォーラム
第1報告: 出水薫(九州大学法学研究院教授・九州大学韓国研究センター複担教員)
・「韓国科学技術政策の現状」
本報告では、韓国の科学技術政策の歴史的な経緯、また現在進行中の第4次科学技術計画に焦点を当てて、現状と今後の課題について検討した。金大中政権以前は、「軍事的緊張」と「開発(経済成長)」路線と並行して進められていた科学技術政策であるが、金大中政権以降科学技術基本計画が策定・実施されるようになった。基本的に政権ごとに基本計画が策定され国際評価も向上しているが、今後は社会情勢を視野に入れた基本政策の策定が課題になると指摘した。
第2報告: 山口祐香(九州大学アジア・オセアニア研究教育機構学術研究員)
・「「朝鮮通信使」と戦後日本社会:在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践」
本報告では、「在日朝鮮人史研究」「戦後日本市民社会史」の観点から、様々な「境界」を越えようとした人々の「歴史実践」を描こうとした。特に、在日朝鮮人歴史家である辛基秀に着目し、「日本人と朝鮮人、アカデミアと非アカデミア、マジョリティとマイノリティ、中央と地方などといった「境界」が内在する社会構造の中で、その周縁に位置づけられている人々、あるいはそのような人々に共感し連帯しようとする人々が、自らの足もとから歴史と社会の見方を問い直す中で、既存の「境界」を相対化し、乗り越えようとした試み」と指摘した。
【報告】第2回現代韓国映画祭 in SAGA
韓国研究センターは、去る8月8日に共催企画として「第2回現代韓国映画祭 in SAGA」を開催しました。
①行事名:第2回 現代韓国映画祭 in SAGA
②日時:2021年8月8日(日)
第1部 受付開始 (12:00)~上映開始(13:00)~終了 (15:10)
シネマトーク(15:15~15ː50)
第2部 受付開始 (15:00)~上映開始(16:00)~終了 (18:10)
③会場:アバンセホール(300席中100席を使用)
主催:現代韓国映画祭 in SAGA 実行委員会
(佐賀女子短期大学 現代韓国文化研究センター)
共催:九州大学韓国研究センター
後援:韓国国際交流財団、佐賀県名護屋城博物館、東義大学東アジア研究所
④スケジュールと上映作品
〇第1部:『焼肉ドラゴン』(2018年公開、126分 芸術選奨文部科学大臣賞)
〇シネマトーク
―移動する韓国社会と韓国映画をめぐって― (15:15~15ː50)
波潟 剛(九州大学 韓国研究センター)
西谷 郁(西南学院大学 アジア映画研究)
申 明直(熊本学園大学 東アジア学科)
長澤雅春(佐賀女子短期大学 現代韓国文化研究センター)
〇第2部:『国際市場で逢いましょう』(2015年公開、127分)
*概要: 共同研究プロジェクトのテーマに基づき、祖国を離れ異教の地で暮らすことになった韓国人の生活と家族の歴史に焦点を当てた2作品を上映しました。また、1部と2部の間には、会場と登壇者をオンラインでつなぎ、「移動する韓国社会と韓国映画」というテーマの下、 『焼肉ドラゴン』から見る〈在日の家族〉、『国際市場で逢いましょう』における〈朝鮮半島の家族〉、韓国映画の現代的思想性等について、来場者向けの解説を兼ねたトークイベントを開催しました。
以上
【報告】イギル・ボラ氏講演会「音の世界と沈黙の世界のあいだで」
2021年7月26日(月)、九州大学伊都キャンパスイーストゾーンE-B-112にて、イギル・ボラ氏の講演会「音の世界と沈黙の世界のあいだで」を開催した。
イギル・ボラ氏は、映画監督、作家であり、アクティビストという肩書も持つ。現在、韓国で最も注目されている若手文化人のひとりである。〈ろう者〉の両親のもとに生まれ育ったいわゆるCODAでもあり、本講演会では、自伝的著作『きらめく拍手の音』をベースに、CODAとしての生や〈ろう文化〉などをめぐって、幅広いお話が展開された。
なお、本イベントは、日本におけるイギル・ボラ氏初の講演会となった。
題目:音の世界と沈黙の世界のあいだで
講演者:イギル・ボラ氏(映画監督/作家)
司会・討論:辻野裕紀准教授(本センター複担教員)
後援:韓国国際交流財団
- イギル・ボラ氏プロフィール
1990年、韓国生まれ。映画監督、作家。ろう者である両親のもとで生まれ育ち、ストーリー・テラーとして活動する。17歳で高校中退、東南アジアを旅した後、韓国芸術総合学校、Netherlands Film Academyに学ぶ。映画学修士。主な映像作品に、中編ドキュメンタリー映画『ロードスクーラー』(2008)、長編ドキュメンタリー映画『きらめく拍手の音』(2014)、『記憶の戦争 -Untold』(2020)、著書に、『道は学校だ』(2009)、『ロードスクーラー』(2009)、『私たちはコーダです』(2019)、『やってみなけりゃわからない』(2020)などがある。昨年12月にリトルモアから刊行された『きらめく拍手の音』の邦訳(矢澤浩子訳)は現在日本語で読める唯一のイギル・ボラ氏の著作。
【報告】シンポジウム「中世の日韓交流と対馬海峡沿岸社会」
本シンポジウムでは、15・16世紀―韓国では朝鮮王朝前半期、日本では室町・戦国期―の両国関係について、日本史、韓国史の専門研究者4名の研究発表をオンラインによりおこなった。国内外より専門研究者から学部生・一般市民まで約50名の参加者が得られた。
1392年に誕生した朝鮮王朝は、倭寇の制御を念頭に、沿岸防備体制を強化しつつも、日本側の経済的欲求に一定に応えるべく、対馬島主宗氏との関係を基軸とする対日通交管理体制を形成した。そこでは窓口港・通交者の制限、貿易額の上限設定、港湾・沿海での活動制限が実施された。これに対し、対馬を中心とする日本側関係者は、偽名義の通交人派遣、密貿易など、朝鮮側の規制をかいくぐって活動範囲を押し広げ、朝鮮半島南岸地域に中央権力が想定、歓迎しない形の交流状況を生み出し、地域の論理と国家の論理の間に相克を生じていた。
第一部では「現場の論理」として、朝鮮半島南岸における現場の状況を、日本側、朝鮮側双方の視点からとりあげた。関周一氏は、朝鮮沿海における日本漁民の進出問題をとりあげ、対馬本島での漁法との違いから、対馬島外の漁民が含まれていた可能性を指摘した。ついで李泰勲氏は、朝鮮南岸における倭人居留地の形成過程、および朝鮮・対馬側の権力によるその管理統制と、これをめぐる双方の駆け引きについて論じた。
第二部では「外からの視点」として、現場から離れたところにある日朝の権力者にとっての状況像をとりあげた。木村拓氏は、朝鮮王朝が対日関係の窓口・媒介者とする対馬を外(日本)なる存在と認識しつつも、自らの政治的秩序の外縁を構成する要素として位置づけた論理の構図を論じた。九州大学の伊藤幸司氏は、美濃の領主土岐氏による朝鮮への大蔵経求請をとりあげ、朝鮮との独自通交を展開できた対馬海峡近接地域とは異なり、遠隔地の地域権力にとって、中央政府(室町幕府)以外には朝鮮通交のパイプが存在しなかったことを論じた。
総合討論では、荒木和憲氏より各報告の状況理解、使用概念等に関する詳細なコメントがあり、その後フロア参加者との質疑応答をおこなった。非常に白熱した討論が行われ、予定時間を大幅に超過して閉幕した。