【報告】第96回定例研究会
2021-06-26
韓国研究センターは、去る6月25日に第96回定例研究会を開催いたしました。
日時:2021年6月25日(金)
開催方法:オンライン ZOOM
共催:九州韓国研究者フォーラム
後援:韓国国際交流財団
第1報告: 木村貴(福岡女子大学国際文理学部教授)
・人の国際的移動と多様化する「国民」―北朝鮮からの人の移動と南北関係―
本報告では北朝鮮から韓国への人の移動を、韓国の脱北者政策の変遷過程を中心に取り上げた。韓国における脱北者の地位は時代や境遇によって多様であるものの、分断体制の「国民」として重要な存在といえる。依然として脱北者は、体制維持の手段でありつつ、他方では南北関係の行為主体になっていると指摘した。
第2報告: 裵海善(筑紫女学園大学アジア文化学科教授)
・働き方改革の韓日比較―労働時間の短縮と柔軟化―
本報告では、近年の日韓両国における働き方改革の特徴、政策の方向性や課題などについて詳細に比較を行った。両国は少子高齢化を背景に、共通的に長時間労働慣行の是正に改革の焦点を当てているが、そのアプローチにおいては様々な違いが見られることを明らかにした。その上で、労働者の貧困化や時間外労働上限の制限、労働時間の柔軟化など、依然として多くの課題が残されていると説明を加えた。