【案内】韓国の国立統一教育院より海外の大学生向けの教育プログラムの参加者募集について
韓国統一部の所属機関である国立統一教育院より海外の大学生向けの教育プログラムについて、本センターへ周知依頼がありました。詳細は下記の通りです。参加申し込みをご希望の方は、下記内容をご確認のうえ、直接お申込み下さい。
大韓民国統一部国立統一教育院(NIUE)では、グローバル統一教育プログラムに参加する外国人留学生および在外同胞のグループ(またはチーム)を募集しています。毎年、朝鮮半島の統一に必要な価値観と実践的な知識を育成するために、カスタマイズされた統一教育プログラムを実施しています。
〇グローバル統一教育プログラムの概要
参加資格:外国人大学生および海外在住韓国人のグループ(最少15名、最大50名)
期間:1~5日間
会場:国立統一教育院(大韓民国ソウル市)
言語:韓国語または英語
サポート:宿泊、食事、教育プログラムの費用、現地での交通費・入場料
※ 航空運賃および個人的な経費は参加者の負担となります。
* 正式なスケジュールは、状況によって変更される可能性があります。
講義科目 |
韓国の統一政策と朝鮮半島統一のビジョン/北朝鮮の人権/北朝鮮経済/韓国に定住する脱北者との対話/政策担当高官との対話 |
フィールドトリップ |
DMZと板門店、南北通過事務所、北朝鮮難民定着支援センター(ハナウォン)、青い家、近代歴史記念館、朝鮮戦争記念館 |
学術会議 |
参加者は全員、発表者として、あるいは韓国のカウンターパートと討論者として学術会議に参加する。 |
〇申し込み方法
申請書に必要事項をご記入のうえ、【2024年1月15日迄】に globaledu@korea.kr までご提出ください。
〇お問い合わせ
ご興味のある方またはご質問は、下記までご連絡ください。
駐日韓国大使館の조영석(Mr. Cho Young-seok)統一官
メール:yscho23@mofa.go.kr
【報告】「2023日韓市民100人未来対話」に辻野裕紀副センター長、呉獨立助教が参加しました
2023年11月24日(金)から11月26日(日)にかけて、「2023日韓市民100人未来対話」(主催:韓国国際交流財団、ソウル大学校日本研究所、早稲田大学韓国学研究所)が韓国の松島(仁川広域市)にて開催されました。本センターも日本側の協力大学として名を連ねており、辻野裕紀副センター長・准教授(言語学)と呉獨立助教(社会学)がパネリストとして参加しました。
本行事の趣旨は、「日韓両国の各界専門家、学者、NGO、一般市民が、昨今の東北アジアにおける環境変化及び両国が直面する共同の懸案について共に解決方案を模索し、未来志向的で相互互恵的な日韓関係の基盤を構築する」ところにあり、今回で第7回目を迎えました。
今年のテーマは「持続可能な地球を導く日韓市民協力」で、以下のような日程で行われました:
11月24日(金)
歓迎晩餐会など(オラカイ松島パークホテル)
11月25日(土)
開会式、基調演説など(松島コンベンシア)
分科別討論
分科セッション1「プラネタリーヘルスのための地域社会協力の可能性」
分科セッション2「ポスト真実時代、ソーシャルメディアの中の日韓関係」
分科セッション3「持続可能な日韓関係のための未来世代交流」
分科セッション4「科学技術の発展と市民参加、そして実践」
11月26日(日)
総合討論、閉会式など(松島コンベンシア)
昨年の静岡での開催に引き続き、今年も無事に対面で行われ(2020年と2021年はCOVID-19の影響でオンライン開催)、自由闊達な議論が展開されると同時に、日韓市民の極めて貴重な交流の場となりました。
【報告】鼎談「韓国の詩人と考える文学の世界」(K-BOOKフェスティバル サテライトイベント)が成功裡に終了しました
2023年11月21日(火)、「K-BOOKフェスティバル サテライトイベント」の一環として、鼎談「韓国の詩人と考える文学の世界」(共催:クオン、九州大学韓国研究センター、後援:韓国文学翻訳院)がJR博多シティ10階会議室にて開催されました。本イベントには、韓国の著名な詩人オ・ウン氏、キム・ソヨン氏に加え、本センターの辻野裕紀副センター長・准教授も登壇し、韓国の文学、なかんずく、詩についての緻密なトークが展開されました。平日にもかかわらず、多くの方々にご来場いただき、登壇者間の議論は固より、フロアとの質疑応答も活発に行われ、知的刺激に満ちた、大変有意義な時間になりました。
本イベントのポスターや登壇者のプロフィールなどについては、次のURLをご参照ください: https://rcks.kyushu-u.ac.jp/info/6743.html
【お知らせ】叢書第4巻の書評が『農耕の技術と文化』32号に掲載されました。
2022年8月に出版された韓国研究センター叢書第4巻『日韓における外国人労働者の受け入れー制度改革と農業分野の対応』に関する書評が、『農耕の技術と文化』32号に掲載されました。
書評の全文はに下記のURLを通じてダウンロードできます。
https://www.nobunken.org/32-2023-1
【報告】朝鮮史研究会(第60回大会)に参加
【報告】「JIBSNセミナー2023」に元兼正浩センター長がウェビナー参加しました
2023年10月21日(土)に、境界地域研究ネットワークJAPAN(Japan International Border Studies Network:JIBSN)セミナーが北海道・標津町)で開催されました。同ネットワークは「日本の各境界地域の経験と交流をもとに、実務者と研究者との意見交換の場として機能し、このネットワークを通じて、境界地域を活性化する様々なアイデアやプランが生み出されることが期待されています。またネットワークは日本国内の内向き議論に終始せず、隣接する諸外国や欧米の境界地域研究ネットワークと広く接合し相互に緊密に協力しあうことで、大きな視野での問題解決や地域発展に寄与することをも構想」(JIBSNホームページより)しており、本センターもその趣旨に賛同して加盟機関として名を連ねており、昨年に続いてセンター長がオンライン参加しました。
今年のテーマは「境界地域の移住と観光を考える」で、以下の報告者によって実務報告と質疑が行われました。人口減少(自然減)が続くなかで「社会増」を増やす手立てとしての移住の試み(ワーケイション、後継者支援など)や空き家不足などの課題について報告が行われました。観光については、コロナ禍を経てオーバーツーリズムが問題となる中、各自治体の受入れ態勢の課題が具に報告されました。また、ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事予測で緊張する国際情勢が加盟自治体のような国境に与えている影響など、ボーダー地域の自治体関係者ならではの報告もあり、平和を願いながらの熱心な議論が交わされました。
【案内】K-BOOKフェスティバル サテライトイベント
毎年秋に東京で開催されているK-BOOKフェスティバルのサテライトイベントが、11月に九州でも開催されます。
今回のイベントは韓国の人気詩人二人によるポエムツアーの形で行われる予定です。本ツアーの初回となる11月21日のイベントは九州大学韓国研究センターとの共催で福岡で開かれます。本センターの副センター長である辻野裕紀准教授が二人の詩人と一緒に登壇し、文学について語り合います。
多くの方々のご参加をお待ちしております。
K-BOOKフェスティバル サテライトイベント
鼎談「韓国の詩人と考える文学の世界」
登壇者:オ・ウン+キム・ソヨン+辻野裕紀
日 時:2023年11月21日(火)18:30-20:30
会 場:JR博多シティ10階会議室
入場料:無料(要申込)
定 員:70名
共 催:クオン、九州大学韓国研究センター
後 援:韓国文学翻訳院
申込み:https://cuonbooks231121.peatix.com/
登壇者プロフィール
オ・ウン
1982年韓国全羅北道井邑生まれ。2002年『現代詩』にて詩人としてデビュー。詩集に『ホテルタッセルの豚たち』『私たちは雰囲気を愛してる』『有から有』『左手は心が痛い』、青少年詩集に『心の仕事』、散文集に『君と僕と黄色』『なぐさめ』など。邦訳に『僕には名前があった』(吉川凪訳、クオン)がある。朴寅煥文学賞、具常詩文学賞、現代詩作品賞、大山文学賞などを受賞。
詩人。露雀洪思容文学賞、現代文学賞、李陸史詩文学賞、現代詩作品賞を受賞。詩集『極まる』『光たちの疲れが夜を引き寄せる』『涙という骨』、エッセイ集『心の辞典』など多数発表。邦訳に第八回日本翻訳大賞受賞作品『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(姜信子監訳、一文字辞典翻訳委員会訳、クオン)、エッセイ集『奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき』(姜信子監訳、奥歯翻訳委員会訳 かたばみ書房)がある。
九州大学大学院言語文化研究院准教授、同大学大学院地球社会統合科学府准教授、同大学韓国研究センター副センター長。著書に『形と形が出合うとき:現代韓国語の形態音韻論的研究』、共編著書に『日韓の交流と共生:多様性の過去・現在・未来』(いずれも九州大学出版会)がある。現在、朝日出版社「あさひてらす」で「母語でないことばで書く人びと」、白水社「webふらんす」で「歴史言語学が解き明かす韓国語の謎」を連載中。
【報告】韓国研究センター・九州韓国研究者フォーラム共同研究プロジェクト研究会
去る10月14日(土)に、本センターと九州韓国研究者フォーラムが共同で進めている研究プロジェクト「『ポスト1965年体制』研究」の研究会が開催されました。
本共同研究プロジェクトは、2023年度から本センターが取り組んでいる研究事業「『世界史』の中の韓国:その構造変動に関する総合的研究」の一環として進められております。今回の研究会は、第1部の韓国東国大学日本研究所の研究員・成川彩先生の講演と、第2部の成川先生、出水薫先生(韓国研究センター副センター長)、緒方義広先生(福岡大学准教授)による鼎談という2部構成で行われました。
韓国研究センター・九州韓国研究者フォーラム共同研究プロジェクト
『ポスト1965年体制』研究 共同研究会
日時:10月14日(土)14:30〜17:30
会場:博多駅バスターミナルの貸ホール(第1ホール)
講演者:成川彩 (東国大学日本研究所 研究員)
司会:出水薫(韓国研究センター 副センター長)
共催:韓国研究センター、九州韓国研究者フォーラム
後援:韓国国際交流財団
第1部 講演:成川彩 (東国大学日本研究所 研究員)
「88ソウルオリンピック以降の韓国映画・ドラマの変化」
本公演では、80年代後半以後の韓国の映画やドラマの変化を韓国社会の変化とともに辿ってみる作業が行われました。88年を前後とする韓国の民主化と冷戦の終結といった潮流の中で、韓国の映画やドラマではそれまであまり描かれなかった軍事政権や民主化運動、労働運動などが描かれるようになったことが指摘されました。また。民主化によって映画の検閲が緩和されたことは事実であるものの、事実上検閲がなくなるのは2002年であったことも指摘され、その間の独立映画を通した表現の自由拡張の闘争、憲法裁判所の決定などの一連の流れが紹介されました。それ以外にも、90年代以降の韓国映画産業の変遷と日本大衆文化解放をめぐる背景など、興味深い話が続きました。
第2部 鼎談・質疑応答
成川彩(東国大学日本研究所 研究員)
出水薫(韓国研究センター 副センター長)
緒方義広(福岡大学 人文学部東アジア地域言語学科 准教授)
鼎談の形式で行われた第2部では、第1部の講演の内容に基づきながら、共同研究プロジェクトのテーマと関連する、より幅広い議論が展開されました。日韓の関係や文化交流、そして、歴史的な出来事と社会の変化などについて、具体的な作品をあげながら進めれた第2部では、会場に参加した方々からの質疑も活発に行われ、今回のターマに関する高い関心を実感できる時間でした。
※講演者プロフィール
成川 彩
2006年神戸大学法学部卒業。2008年大阪大学大学院通訳翻訳専修コースを卒業した後、2017年まで朝日新聞記者として活動。韓国の東国大学映画映像学科修士課程を経て2023年同大学日本学科博士課程修了。現在、東国大学日本研究所の研究員。日韓の様々なメディアで執筆活動をしている。著書に『어디에 있든 나는 나답게(どこにいても、私は私らしく)』(2008、생각의 창)、『現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?』(2023、筑摩書房)がある。
【案内】「JENESYS2023 大学生訪韓団(第1~2団)参加者募集」について
日韓文化交流基金より、「JENESYS2023 大学生訪韓団 参加者募集」について本センターへ周知依頼がありました。詳細は下記の通りです。参加申し込みをご希望の方は、下記内容をご確認のうえ、直接お申込み下さい。
公益財団法人日韓文化交流基金は、外務省が推進するJENESYS(対日理解促進交流プログラム)の一環として、毎年、大韓民国教育部国立国際教育院と共に日韓両国の大学生を対象とした相互派遣を行っています。
2023年度は2024年3月に6泊7日の日程で大学生訪韓団(第1~2団)を実施することとなり、この度、本プログラムへの参加者を広く募集します。
◆実施機関
公益財団法人日韓文化交流基金、大韓民国教育部国立国際教育院
◆日程
<プレプログラム>
2024年3月2日(土)
<訪韓日程>
2024年3月10日(日)~3月16日(土) 6泊7日
◆応募方法
必要書類をご準備いただき、日韓文化交流基金ホームページ上の応募フォームからご応募ください。
※応募される前に、必ず応募資格・応募方法等の詳細を募集要項でご確認ください。
◆応募締切
2023年11月10日(金)17:00
◆問い合わせ
公益財団法人日韓文化交流基金 大学生訪韓団担当
E-mail:haken(a)jkcf.or.jp
※メール送信時には(a)を@に変えて入力してください。
【報告】「『世界史』の中の韓国–その構造変動に関する総合的研究」教育学ブランチ研究会
去る9月17日(日)、本センターの研究事業の一環として、本センターと九州韓国研究者フォーラムの共催で研究会が開催されました。
日時:2023年9月17日(日)
会場:アクロス福岡604会議室
共催:九州大学韓国研究センター、九州韓国研究者フォーラム
後援:韓国国際交流財団
司会:元兼 正浩(九州大学 韓国研究センター長)
指定討論:佐々木 正徳(立教大学 外国語教育研究センター 教授)
2023年度から遂行されている本センターの研究事業「『世界史』の中の韓国–その構造変動に関する総合的研究」は、歴史、言語・文化、経済、教育など、多様な分野の研究プロジェクトと共に進められております。今回の研究会は、教育学ブランチの研究プロジェクト「1990年代以降の日韓の教育政策を世界的潮流の中に読み解く」の一環として行われたもので、熊本学園大学の金美連先生と九州産業大学の鄭修娟をお招きして最近の韓国の教育に関連する興味深い発表が行われました。また、立教大学の佐々木正徳先生が指定討論者として参加し、より深い議論が展開される貴重な時間でした。
第1報告:金 美連(熊本学園大学 外国語学部准教授)
「韓国の学校における多文化共生の模索:多様性の追求と社会統合のはざまで」
第1報告では、最近急速に多文化化が進んでいる韓国において、重要な社会的課題として浮き彫りになっている多文化教育についての報告が行われました。本報告では、韓国の中央政府が進めてきた多文化政策及び多文化教育の具体的な展開過程とその変化様相などを紹介すると同時に、韓国の多文化教育が見せる特徴及びその課題などについて議論されました。また、本報告では、多文化の子どもに対するまなざしなど具体的で生々しい事例が豊富に提供され、現時点の韓国の多文化教育についてより深く理解できる時間になりました。
第2報告:鄭 修娟(九州産業大学 国際文化学部講師)
「韓国における教師の権利保障のための制度的基盤」
第2報告では、「教育権」などをめぐる教師の権利保障に関連するテーマの報告が行われました。まず、韓国における教師の「労働運動」の意味と変遷、そして教師の「教育権」をめぐる制度的環境に対する歴史的変化を扱った本報告は、韓国において「教師」という職業の社会的地位とその変化、そして「教育権」という概念の意味をめぐってより根本的に考える貴重な時間でした。特に本報告では、これと深く関わる最近起きた具体的な事件とその展開様相に基づいて議論を展開することで、現在韓国社会に関する最もタイムリーな一面を扱っている点でも注目されました。
報告に続いて行われた指定討論と質疑応答では、最近韓国全体を揺り動かしている教育現場の切実な問題について、理念的・政治的言説に偏ることなく発展的な議論につながる方向への模索が必要であるとの問題意識が強く共有されました。