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【報告】第97回定例研究会

2021-09-01

韓国研究センターは、去る8月30日に第97回定例研究会を開催いたしました。

日時:2021年8月30日(月)

開催方法:オンライン ZOOM

共催:九州韓国研究者フォーラム

 

第1報告: 出水薫(九州大学法学研究院教授・九州大学韓国研究センター複担教員)

・「韓国科学技術政策の現状」

本報告では、韓国の科学技術政策の歴史的な経緯、また現在進行中の第4次科学技術計画に焦点を当てて、現状と今後の課題について検討した。金大中政権以前は、「軍事的緊張」と「開発(経済成長)」路線と並行して進められていた科学技術政策であるが、金大中政権以降科学技術基本計画が策定・実施されるようになった。基本的に政権ごとに基本計画が策定され国際評価も向上しているが、今後は社会情勢を視野に入れた基本政策の策定が課題になると指摘した。

 

第2報告: 山口祐香(九州大学アジア・オセアニア研究教育機構学術研究員)

・「「朝鮮通信使」と戦後日本社会:在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践」

 本報告では、「在日朝鮮人史研究」「戦後日本市民社会史」の観点から、様々な「境界」を越えようとした人々の「歴史実践」を描こうとした。特に、在日朝鮮人歴史家である辛基秀に着目し、「日本人と朝鮮人、アカデミアと非アカデミア、マジョリティとマイノリティ、中央と地方などといった「境界」が内在する社会構造の中で、その周縁に位置づけられている人々、あるいはそのような人々に共感し連帯しようとする人々が、自らの足もとから歴史と社会の見方を問い直す中で、既存の「境界」を相対化し、乗り越えようとした試み」と指摘した。